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2013/03/20 山陽アルチザン街道 40km

 山陽アルチザン街道とは東広島市、熊野町、呉市を結ぶ約40kmの道のりのことである。
 各地域の伝統産業に焦点をあてて作られた観光ルートだ。アルチザンとは、フランス語で職人のこと。たまたまコンビニでこの街道のパンフレットを見つけ、興味を持った。
 といってもネットで情報を探すと2011年ぐらいのものしか出てこない。ただ、パンフレットは新しく更新されたものだったので廃れてはいないようだ。あまり熱心ではない観光ルートである。
 山陽アルチザン街道HP

 移動手段は足。余裕のある時は走り、疲れたら歩く方法をとった。


東広島市〜酒造り

午前6時出発
まずは東広島市の酒造り

スタートは松尾神社
松尾神社の祭神は大山咋神(オオヤマクイノカミ)
渡来系の秦氏が祭ったことから、技術の方面でのご利益が有名となり、現在は主に酒造の神とされている

酒造りの盛んな東広島には欠かせない神社である
参道には各蔵の碑が立ち並んでいる
西条駅
レンガ造りの煙突となまこ壁

どこがなまこなのかイマイチ理解できない
各酒造の名が書かれた煙突が何本も立っている

大学の地域地理学の実習では、高層ビルによる景観悪化が起こっていると聞いた
酒蔵通り
くぐり門

カフェになっているが、早朝なのでどこも開いていない
酒泉館(旧県立醸造支場)

早朝なのでやはりまだ閉まっている
まだ酒蔵通りの魅力はあるのだが、あまり時間がないので出発

とにかく走る
20kmほど走ると坂になり疲れてきたので歩いた

この写真の頃はまだいいが、更に進むと歩道がなくなる
とにかく車に当たりそうで危ない
車にとっても迷惑な存在だと思う
一山抜けると、熊野に入る前に少し広島市入り

それにしても道のゴミが多い
最悪に汚い
今度空き缶だけでも拾っていこうか等と考えついた位だ


そういえばエヴァのアスカの痛車とすれ違った

熊野町〜筆づくり

午前10時
熊野町に到達
ここで雨が降ってきた
合羽を持ってきて大正解

熊野筆、というフレーズは聞いたことあるが、こんなに近くの地域だとは知らなかった

とにかく熊野は筆押しの町だ、と実感した
ここにも筆

(出来庭という地名も面白い)
ここにも筆
マンホールにも筆
地名の由来が書かれた看板もある

紀州熊野との関連性があるようだ
まず訪れたのが『筆の里工房』

こんな山奥にほんとにあるの?
と不安になったが、ちゃんとあった

妙に賑わっていると思ったら、今日は筆の日というイベントの日だった
本当は昨日に行こうと思っていたので、超ラッキー

ここでは、書道用から化粧用まで数千本の筆を展示販売している
自分は筆のことなんて何も知らないんだなあと実感
例えばこれ

これは筆じゃなくて草でしょ
これにも衝撃

まず、毛を使わない筆があることを初めて知った
やはり、ちゃんと使用前に湿らさないと折れるようです
でかい筆も販売

かみちゅ!の二宮君は、あのでかい筆をどこから調達したんだろうか
とか妄想がはたらく

やっぱり尾道ですし、熊野まで買い付けに来てもおかしくは無い…
これは販売でなく展示されている筆

もうね、アホかと
どこの植物標本ですかと

筆の定義がどこかに行っていしまいそうな
そんな筆たち
変な筆たち

他にも、小指サイズの筆など色々
これはずんぐりむっくりの可愛い筆
キャップ付き
若田光一さんが宇宙で書いた習字

宇宙に墨を持ち込むことができなかったため、コーヒーで書かれている
超巨大熊野筆、下は硯の原石

隣の人と比べて分かるように、本当にでかい
筆の日で、コーヒー無料
本当にラッキー
右はマスコットキャラクターのふでりん

この後、気まぐれに似顔絵師に似顔絵を描いてもらった
似顔絵を描いてもらうなんて初めてで、少し照れる
正直あまり似てない気がするが、とっても良い記念になった
次は『熊野町郷土館』
古い建物で、蔵が展示スペースになっている

入った時
え、大学生?一人なの?
という場違い感がちょっと面白い

案内のおじさんがとても丁寧で良い印象を受けた
蔵の中はこんな感じ
ここは二階

案内のおじさんが地域の神社にまつわる話を色々話してくれた
また詳しくなってから話し行ってみたい
榊山神社
993年に勘定された歴史ある神社

ここについては神社巡りのカテゴリでまとめる
→広島県熊野町 榊山神社

御朱印が神主不在でもらえなかったのが残念
また来ようと思う
筆塚
最後は『筆の街交流館 K-JIN』
もとは刷毛工場のよう
写真は刷毛を作っていた機械

当日は熊野高等学校芸術類型の展示を行なっていた
高校の芸術科とかビビる
調べてみたら有吉の母校だった

呉市〜造船

呉の山は険しい

熊野から呉までは10km
10kmなら余裕かなと思っていたら、全然だった

全くもって歩行は想定されてないような道で危ない
それに雨は止んでも霧が濃い
今にも轢かれそうな思いをしながら歩いた
やっとのこと呉に到着

人生三度目の呉
あきしおを横目に通過

てつのくじら館は前に行ったので今日はこちら
大和ミュージアムでの特別展示
『ヱヴァンゲリヲンと日本刀展』

エヴァと日本刀に何の関連性が…
と思ったが深く考えずに入館
エヴァ初号機
華奢だ

アスカやレイの等身大フィギュアもあったが…微妙な出来だった
初号機をイメージして作られた日本刀と鞘

正直言ってダサい

あと写真がしょぼい
自分が写ってる
良いカメラ欲しい
柄の変な日本刀
使いづらそう

もちろん真っ当な刀も何振りか展示してあった

あと、日本刀製作を紹介するビデオとエヴァンゲリオンについての企画書や原画などのパネル
こちらは撮影不可
先が両端にある日本刀
初号機っぽい、兜っぽい、何か
ロンギヌスの槍

これが一番カッコ良かった
螺旋部分はまさに職人技

なにより表面に浮き出た模様が美しい
プログレッシブナイフ

他にもエヴァに関連した刀が色々
戦艦大和

でかい
グッズ販売コーナーでは、実際に展示した刀を作った刀匠たちが、オリジナルプレートへの銘切りを行なっていた
せっかくなので彫ってもらった

刀にアスカを彫ってしまった片山さんという方にやっていただいた
数字は時間がかかるので本来断るそうだが、最後の客なので特別に彫ってくださった
本当に今日はツイてる!

刀というのは一振り100万円するそうだ
弟子入り中はやはり収入は無いそうで、1000万の貯金はなくなったとおっしゃっていた
伝統文化に身を投じるには覚悟以外にもいろいろ必要なのかもしれない
帰りは電車

電車は本当に便利
人類の技術はすばらしいです

今回の旅は物を多く残した
似顔絵やプレートや集めたパンフレットたち
山陽アルチザン街道のパンフレットは雨に濡れたりなんだりで、くしゃくしゃになってしまった

何十年後かにこれらを見つめてニヤニヤする日がとても楽しみだ